日記(3月2日~3月7日)

3月2日


羊飼いについて考えていた。むかし観た「パルプ・フィクション」という映画で、ギャングが「自分は悪人だけど一生懸命に羊飼いになろうと努力している」と言っていたのが、すごく印象に残っていて、たまに思い出して、理由もなく泣きたくなる。


悲しいとき指が震えてしまうけどなんだろう。「全然、平気ですよ」みたいな顔をして生きているけどいつか正気でいられなくなるのかもしれない。最近悲しくなることが多い。


業田良家自虐の詩 上・下』という漫画を読んだ。


3月3日


大山倍達の孫が覚醒剤で逮捕されたというニュースを観た。大山倍達が十円玉を親指と人差し指で曲げていたという逸話を思い出して、十円玉を曲げようとしてみたけど親指が痛くなっただけだった。


「レボリューション6」「グレイテスト・ショーマン」を観た。


どこかもの悲しくなるような青春系の映画がすきだから「レボリューション6」面白かった。不良だったひとたちが「久しぶりに集まってみんなでまた何かしたいね」って言って警察署に侵入して爆破するみたいな話だった。「ロックストックトゥースモーキングバレルズ」「トレイン・スポッティング」みたいな雰囲気の映画がすごく好き。


3月4日


和風のパスタを作った。あまり美味しくできないけどたまに無性に作りたくなる。いつか誰かと結婚したら料理したり弁当作ったりしたいな。


武田泰淳『富士』を読んだ。古いし長い小説だからひとに勧めにくいけどとてもいい小説だった。


夜に襲ってくる不安に耐えられなくなってオーバードーズをした。もしも死んだらと思って、ひとにいままで書いてきた小説とかをまとめて送った。詩が25編、俳句が100編、小説が30編ほどあった。燃やしてもいいけど死んだらちょっとした冊子にしてくれたら嬉しいなと思った。


3月5日


オーバードーズのせいで傾眠がちだった。気を失っていても家にいると点滴も導尿も酸素もされない。当たり前のことだけど。


3月6日


いつまでも死なないし、精神薬のせいでずっと吐き気が続いている。大人なんだからちゃんと生きなきゃと思う。


お花屋さんに綺麗なバラがあって名前が「フリーダム」だった。震えながら「このフリーダムをひとつ下さい」と言った。こんな言葉を人生で使う機会がくるなんて思わなかった。


「アルゴ」「レミゼラブル」という映画を観た。


3月7日


ビーフストロガノフを作った。普段自分が作っているもので得意なほうな料理で、目を瞑っていても作れると思っていたのに、なんか失敗してびっくりしてしまった。


カルロス・ゴーンさんが10億円の保釈金を払って保釈されたらしい。最近まで留置所にいた友達がいて、その友達も大変そうだったから、カルロス・ゴーンさんも保釈されてよかったと思った。寒いなかいつまでも保釈されなくて本当に大変だったと思う。保釈金が高額だと現金で納めなきゃいけないらしい。10億円の現金を想像して目眩がした。


岸政彦の『断片的なものの社会学』を読んだ。