日記(7月3日~7月7日)

 

7月3日

 

上野でクリムト展を見てきた。絵もだけど、この時期にこんな生活で精神状態でこの絵を描いたんだという人生が追えて楽しいね。

 

一緒に行ったひとがお酒を飲まないひとだから珈琲をガブ飲みした。帰りにデルフィニウムという花をもらった。もらってばかりだと悪いと思ったけどポケットを探っても煙草しかなかった。煙草はいらないと言われた。わたしは何も差しだすものを持っていない。ヘッセの『シッダー・ルタ』でこんな言葉があったような記憶がある。

 

モーパッサン『脂肪の塊』を読んだ。すごく良かったので、これはおすすめです。

 

7月4日

 

引っ越すから大きな本を売りにいった。詩集ふたつで800円になってすごいなと思った。画集はほとんどお金にならなくて不思議だった。

 

西荻窪に行った。ふらふらしていたらおじさんに声をかけられて、お酒を奢ってくれた。ただよりうまいお酒はないし、西荻窪はいい町だね。

 

転職の都合で、中央線沿いを離れてしまうのが寂しい。来月までに中央線沿いで行きたいところがあるひとは誘ってください。

 

村上龍の『空港にて』を読んだ。

 

7月6日

 

いま手をつけている長編小説を書き進めた。なんだか登山みたいだね。誰の賞賛も期待できず、ひとりで黙々と、高みを目指して書き続ける。新人賞があるからそれに送ってみようかな。

 

ひとに荷物を預けていたら新宿のゴールデン街で終電を逃した。荷物といっても文庫本と栞だけなんだけど。結局朝までお酒を飲み続けていくらか奢ってもらった。ただよりうまいお酒はないね。

 

7月7日

 

家に着いたのが7時くらいで昼まで寝てしまった。

 

誰かに愛されたいと思って泣いてしまった。さみしいってよくないね。そういえば、インドでイエティの足跡が発見されたというニュースが5月にあっていまのところ令和でいちばん良いニュースだと思っている。UMAの目撃情報などあったら教えてください。

 

短冊に「すべて優しい幻覚になりますように」と書いた。

 

永井均の『倫理とは何か』を読んだ。倫理とは何かが分かったとしても道徳的な人間になれるわけではないということに途中で気がついた。