日記(7月24日~7月29日)

 

 

7月24日


これからお風呂に入るというのに、乾いた唇にリップクリームを塗っていてなんなんだと思った。油と水の関係って面白いなと思う。料理にしてもひとの肌にしても脂のことよく知らない。水のことはすこし知っているような気がする。


読んでいる本で、白居易の「雪月花時最憶君」という詩が出てきて、いいねと思った。自分の心のなかでめちゃくちゃ再生されて高評価のボタンを何度も押した。825年の詩が千年以上の時を経てひとの心に響いているのって素晴らしいですね。


『いまドキ語訳越中万葉』を読んだ。

 


7月25日


働いている間は死ぬこととか考えなくて楽だなと思う。死ぬってだるいだろうから来世とかなくていいなって思う。


エンディングノート』を観た。

 


7月26日


ラーメンズ小林さんについて何か言おうとしてやめた。大体のことは言い尽くされているだろうし。ただ、ラーメンズがコント100本を無料で観られるようにしてその広告収入を災害復興支援にあてていたことずっと忘れないと思う。

あの頃は、日本では熊本地震や障害者施設での殺人事件、海外ではテロが多発したりイギリスのEU離脱したり、なんとなく社会的に鬱々した時期だったから、ラーメンズのネタをいつでもどこでも携帯で見られるということに希望を感じた記憶がある。


ラーメンズの話題になるといつも、ラーメンズは知っているけどラーメンは知らない情弱のおばさんという架空の人物が頭のなかに現れる。


三島由紀夫の『肉体の学校』を読んだ。

 


7月27日


彫り師のひとから勧められた水墨画のアーティストのひとがよくてインスタグラムを遡っていたら八十八ヶ所巡礼と仕事していていいな〜と思った。好きなアーティストと一緒に仕事できるのいいな〜。自分もちゃんとこつこつと作品を作っていこうという気持ちになった。こつこつ。骨骨。折れやすい骨とかって、もうすこし関節増やしたりすればいいのにって思う。


五所純子の『薬を食う女たち』を読んだ。

 


7月28日


あまり愚痴ったりしないんだけどこのごろ仕事がしんどくて上司に相談したら「身体をあたためて生活しましょう」と言われた。そうかもしれないと思った。病院という場で人間としてより先に看護師として扱われることに心地よさみたいなものを感じる。


『ANIMA』を観た。トムヨークの踊りがきもち悪すぎてよかった。

 


7月29日


仕事柄、気を張っていないと足下を見られることがあるから、つよくあろうつよくあろうと仕事しているけど、やさしい人間になりたい。むかし、もっと素直でいい人間だった気がする。

もう会うことがなくなった後輩が、最後に置いていった手紙に「輪湖さんは輪湖さんにしか助けられないひとがいると思います」と書いてあったことを思いだした。しばらく、その手紙を持ち歩いていたけどもうその手紙もなくなって記憶もだんだん薄くなっていく。働くってそうなのかもしれない。


大槻独舟の『雪間』を読んだ。